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からだトピックス |
■脳卒中は予防が大事! 〜高血圧とリンゴの関係〜 − 2006/01/11 −
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高血圧は、なぜ警戒されるのでしょうか?
血圧とは、心臓の収縮によって全身に送り出される血液の流れが、動脈の壁に加える圧力のことです。心臓の左心室が収縮して血液を送り出している時の血圧を収縮期血圧(最高血圧)、左心室が拡張して血液が心臓にたまる時の血圧を拡張期血圧(最低血圧)といいます。
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分 類 |
収縮期血圧 拡張期血圧 |
至 適 血 圧 |
120未満 かつ 80未満 |
正 常 血 圧 |
130未満 かつ 85未満 |
正常高値血圧 |
130〜139 または 85〜89 |
軽症高血圧 |
140〜159 または 90〜99 |
中等症高血圧 |
160〜179 または 100〜109 |
重症高血圧 |
180以上 または 110以上 |
収縮期高血圧 |
140以上 かつ 90未満 |
成人における血圧の分類 単位:mmHg
(日本高血圧学会 高血圧治療ガイドラインより)
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血圧の高い状態を放置していると、徐々に血管障害が進行し、動脈硬化から心臓に負担をかけ、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病などの病気を発症しやすくなります。その中でも、脳卒中の予防には高血圧のコントロールが重要となってきます。
高血圧は成人病への危険信号ですから無視してはなりません。高血圧の予防は、直接関係がないと考えられる病気の予防にも役立ちます。
≪ナトリウムとカリウム≫
高血圧と関連の深いミネラルに、ナトリウムとカリウムという2つのアルカリ性の元素があります。この2つのミネラルは、体内で細胞膜を境として外部と内部に水に溶けた状態で存在しています。一般的にナトリウムは細胞外液(血漿・リンパ液など)に多く含まれ、カリウムは細胞内液に多く含まれています。
この2つのミネラルはだいたい同じ濃度を保っており、ナトリウムが多くなりすぎると、濃度のバランスを保とうとして、細胞内から水分が浸出していきます。このときに圧力が高まり高血圧を示します。
また、カリウムには利尿作用があり、水と一緒にナトリウムを体外へ排出する働きがあります。この作用により、カリウムには血圧を下げる効果があるのです。
塩辛いものをたくさん食べたために血圧が高くなるのではないかと思ったら、まず水をたくさん飲むことです。こんな簡単なことで高血圧を防止できるのかと疑問に思うかもしれませんが、水をたくさん飲むことで体内の塩分濃度を薄め、更には体外へ早く排出することができるのです。
もちろんカリウムを摂取することによって、濃度差のバランスを取ることも大切です。
≪なぜ塩分が必要か≫
塩分を摂りすぎると高血圧の原因になるということがありますが、塩分(ナトリウム)は身体にとって必要な、人の命を支える大事な栄養素でもあります。
体液中にナトリウム塩となって存在して、神経が余分な刺激を受けないようにし、筋肉の弾性維持、消化液にアルカリ性を与えるなどの働きをしています。したがって長時間の不足は食欲を減退させ、倦怠感を覚え、精神が不安定になり体液の水分が細胞に移ってむくみの原因にもなります。また、ナトリウムは血管壁に付着した色々な物質を取り除き、血液を浄化します。血管の硬化を防止する働きもあるのです。
日本の東北地方に高血圧患者が多いのは、食塩を多く取っているということよりも、カリウムの摂取が不足していることが原因となっていると言われており、東北地方でもリンゴの生産地など、カリウムの摂取が十分な地方では高血圧患者は少ないという調査結果もでています。
≪高血圧予防に必要な栄養素≫
カリウム・・・ジャガイモ、ニンジン、レタス、リンゴなどに含まれる。
レシチン・・・細胞膜は、細胞の中に入り込んだナトリウムを細胞外へ運び出す働きをしていますが、この細胞膜を構成しているのがレシチンです。レシチンはコリンを主構成々分としており、コリン不足と高血圧には相関関係があることが知られています。レシチンは、大豆や小魚、卵黄に多く含まれており、人体のすべての細胞の中で必要な栄養分を吸収し、不要な物質を排泄する門番の役目をしています。
タンパク質・・・良質のタンパク質は血管を保護してくれます。低タンパク質、高塩分の食生活は高血圧をもたらし、脳卒中を多発します。
カルシウム、食物繊維・・・カルシウムの不足は骨を溶かし、血管の細胞に入って血圧を上げることが分かってきました。牛乳、乳製品、小魚などでカルシウムを十分にとること。また、海藻類などに含まれている食物繊維も、血圧の上昇を抑える作用があります。
注意しなければならない事として、ナトリウムを少なくしすぎて逆にカリウムが多くなりすぎた場合でも、高血圧を招くということがあります。大事なことはこれらの栄養素を過不足なくバランスよく摂ることが必要だということです。
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